シープロデックスに冷やかし訪問した同時期。
小さな事務所経営者の私にとって儲かる仕事が舞い込んだ。
上の写真の商品、井草ボトルだ。
これを見て何かすぐにわかった人は、車好きで40歳以上なのが確実だ。
これは、車用の芳香剤のボトルである。
完成品は、芳香剤粒をボトルに入れて穴あきコルクで栓をし、底に両面シールが貼られている。
当時、全国のイエローハットで売られた。
私の立場は下請けの下請け。
直接イエローハットに売るのではなく専門商社Cが取引相手となる。
イエローハットで売られていることを知るのも、芳香剤として使うことを知るのも後のことだ。
どこで、幾らで、どれぐらい売る予定なのか全く教えてもらえなかった。
しかし、結果的にはそれが良かったのだ。
はじめに商社Cからきた見積り依頼の数量は3,000個だった。
この井草ボトルは再生ガラスを使ったもので、工場価格はかなり安い(当時数十円だったと思う)。
単純に25%ぐらいの利益をのせて3,000個売っても、私の利益は300ドルにもならないはずだ。
なので、買値に利益%をオンする値付けはせず、なんとなく買ってもらえそうな金額で見積りしたのだ。
見積り価格は1ドル/pcで、半分以上?いや大半が利益だったと思う。
3,000個の出荷だから"こんなもんでしょ"と思っていた。
"また見積り依頼だけで注文ないかもなぁ"とも思っていた。
FAXで注文書が届いた。
発注個数20,000と書いてあった。
注文個数が増えたから安くしろー、なんて言われることもなく、直ぐに前金の送金もあった。
私は狂喜した。
その頃事務所は、月に10万円稼げたかどうかのレベルだったからだ。
その後、井草ボトルは直ぐにリピートオーダーがあり、半年で10万個ぐらい出荷した。
もしも最初から万単位の注文予定ということやイエローハットで売るということが分かっていたら、カツカツ状態の私は、受注したいのでもっと安い見積りを出していただろう。
ついていたのだ。
会社を作って半年間の貧乏生活は終わり、若い私は、、、調子に乗り始めた。
*写真は今さっき撮ったものです。この井草ボトルは2000年当時に出荷した余りものですが、ほとんど劣化していません。驚き!ですね。
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