2022年11月1日火曜日

私の履歴書3【シープロデックスに行ってみた】


事務所を開けて半年後のある日。
私は日本から来たお客さんK氏と、BenTreにあるシープロデックスの海産物加工工場にいた。
シープロデックスは国営の水産会社だ。
その工場まで行くのにはメコン川を2回横断しなければならなかったのだか、当時は橋がなく、船で渡るしかなかった。往復の移動で半日以上かかった。

飲食店を数店舗経営するK氏は、自社で使うエビは国内問屋を通し高いので、ベトナム工場から直接仕入れれば安くなると思ったのだ。

工場に着くと、日本からわざわざ来たお客さん?なので、工場長が対応してしてくれた。
K氏は、工場の規模を見て、工場長の説明を受けて、あからさまに無口になった。
シープロデックスの日本顧客は総合商社で、コンテナ数本が最低ロットだったのだ。
K氏は2m³ぐらいをカートンで買えると思っていたようだ。
我々は場違いの冷やかし客状態だった。

こういった経験は、始めの3年ぐらいによくあった。
当時は、"ベトナムは安くて小規模な業者だろう"とか"お客様には丁重に対応してくれるだろう"と勘違いして訪問する人が多かった。

その後、K氏からはレストラン家具のオーダーを頂いた。
全く無駄な海産物視察という訳ではなかったのだ。

ベトナムは貧しい国と思いがちだが、私営企業は家族経営が多く、そのような会社を運営してる時点で、日本人サラリーマンより収入は多く、かなり資産を持っている。

そんな彼らはシビアで、コスパの悪いことは全くしない。
オーダーするなら見積もりする、なんて事を平気で言ってくる。
そんな態度でやっていけるのか?と文句を言っても仕方がない。
実際に存在してるからこんなやりとりがあるのだ。

私は、冷やかし客やクレーマーの相手を真摯にする日本人が好きだ。
しかし、世界で勝ち残っていけるとは思えない。
いいように使われて疲弊するだけだろう。


【ベトナムから雑貨類の仕入れをご検討の方へ】

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