2022年11月6日日曜日

私の履歴書6【渋いぜ!サイゴンの赤いジャガー】


2001年。
雑貨店がすぐに儲かり始め、イエローハット案件で小金を稼いだ私は、調子に乗って車を買った。
1974年式のジャガーだ。
色はワインレッドで、めちゃくちゃ渋くてグラマラスだった。
中身がボロボロだったので、買ってすぐに修理した。

この年代のジャガーは、当時ホーチミン市内で所有者が私を含めて3人だけだった。
購入と同時に外国人車両登録をしたので、NNナンバーになり、それもあってこのジャガーは目立った。
外国人が車を買って”NuocNgoai=外国人”と登録することはレアだったのだ。

ベトナムの場合、当時は特にそうなのだが、車を自分で運転することはまずない。し
運転手を雇うのだ。
私はH君という運転手を雇った。
こいつ(H君)には、後にえらい目に遭わされるが、その話は別の機会に。

兎にも角にも、28歳の私は運転手付きジャガーのオーナーになったのである。
このジャガーで通勤し、店に行き、時折お客さんを案内したりした。

でも、この車が最も活躍したのは夜、プライベートだ。
よくバーやディスコの真前に乗り付けて、ゆっくりと、これ見よがしに、後部座席から降りていた。
女の子の家に車で送り迎えもよくしていた。
わかりやすく嫌味な若者だったと思うが、仕方ない、調子に乗っていたのだ。

この年代のジャガーはとんでもなくボロい。
漫画のような故障が何回もあった。
運転中にハンドルが抜けたり、床が抜けた事があった。
1番驚いた故障は、レタントン通りを運転中にタイヤが取れて転がっていったのを見た時だ。
毎3ヶ月以内にどこかしら壊れて、修理を繰り返していた。
燃費も酷くて、リッター3キロ程度。
かなり維持費がかかり続けたが、外見のカッコよさが好きで結局8年間乗り続けた。
金のかかるホステスにハマるのと同じだが、、、長すぎた。
最期は修理出来ないレベルに壊れてしまった。

ジャガーがなくなった後、私は車を保有するのをやめた。
それからはバイクに乗っている。

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