2022年11月12日土曜日

私の履歴書10【雑貨好きの雑貨店は潰れる】


ここまで、起業当時2年弱ぐらいの間に開けた雑貨店の話を書いてきた。
いついつ、どこで、店開けた、成功した、失敗した、、、等だ。
勢いで、場当たり的な感じでビジネスする人間と感じられただろう。
その通りだ。
商売が好きなだけで、雑貨なんか好きじゃなさそう、と思われたかもしれない。

それはちょっと違う、ほどほどに雑貨好きだ。
古いジャガーをこよなく愛し、昔は絵を描くことが趣味だった奴だ。

ここまで開けた店では、看板や内外装や什器は全て私のデザインやアイデアだ。
意外?と細かく、タイルの種類や貼り方まで、選んで指示した。
商品自体も、私がデザインした物が結構あった。

【雑貨好きの雑貨店は潰れる】
土産物屋で1番重要なのは、立地だ。
ただ、立地が良くても売れる商品を並べないと店は簡単に潰れる。
20年の間、いい立地の店舗が潰れるのを何十回も見た。

特に、オーナーがデザイナーでこだわりの商品が多い店はダメだ。
大体5年以内で閉店、10年以上続いた店は皆無だ。(激安家賃の辺鄙な所に移転し、ゾンビ店として体裁を保つ?ケースはあるが、事業的には敗北だ)
こういった店は内装もオシャレで、商品のデザインも良かった。
有名店化し、数年に渡って繁盛することもあった。
が、数年すると驚くほど客足が遠のき、廃業した。

なぜか?
答えは単純で、売れるものを売らなかったからだ。
売りたいものだけを売っていたのだ。

自分のデザインしたものや好みのものを売るのは、オーナーとして普通のことだ。
それらの雑貨が売れると楽しいが、成功体験ができて変化しにくくなる。
クセの強いデザイナーオーナーにその傾向が強い。

【雑貨店の生き残り戦略】
みなさんは、土産物屋は同じような特産品を売り続けていると思っているかもしれない。
観光客は二度と来ない人も多いのだから、今売れてる同じものを売り続ければいいのでは?と。
違うのだ。
ある時売れていても、半分以上の商品は1年経たず売れなくなる。
特にサンダルやバッグ、洋服等はその傾向が強い。
ずっと同じのが売れそうな?バッチャン焼きでさえ売れなくなったりする。

観光客の趣向を捉えるのは難しい、、というか無理だ。
観光目的、人種や年齢が常に変化するし、本国でのトレンドも毎年違う。
女性客や日本人が少ないときに刺繍バッグやサンダルを売ろうとしてもどうにもならない。
本国でラタンバッグのブームが去ったら、土産物屋でもそれは売れない。

ではどうするか?
売れ行きが鈍くなったら、再度仕入れるのをやめて、違う商品に変えていくだけだ。

店のシンボリックなオリジナル商品は?
そんなのなくていい。
あっても全体の5%以下にすべきだろう。(趣味程度)

というようなことを、雑貨屋をやって5年ぐらいで確信した。

最初の頃は、私も自分好みの商品を売っていたが、途中からやめた。
営業方針は『お客が買いたそうなものを売る』だ。

趣味にクセのある?私がこのように舵を切れたのは、自分なら買わない女性向けの商品を多く扱っていたからだろう。
つまり、”たまたま”だったに過ぎない。

【最後に】
これは過去の話だ。
レアな状況の、ニッチな、小売り店舗のケースだ。
皆さんのビジネスの参考になることはないだろう。

暇つぶしにここまで読んでいただきありがとうございました。

*この写真は過去にあったデザイナーオーナーの競合他店。(私の店ではない)

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