よく覚えていないが、2001年の春頃だったと思う。
ノリで開けた土産物屋BUTTERFLY26の経営が上手くいって味をしめた私は、さらに店をつくって儲けようと思った。
当時は今ほど家賃が高くないのだが、それは今だから言えることであって、観光客が多い立地は、当時なりに家賃は高かった。(そう思っていたはずだ)
BUTTERFRY26のような独立した個別物件を借りると、それなりの資本金が必要になる。
資本金の内訳は、前払い家賃、保証金、内装費、在庫商品代、等だ。
最低でも600万円は必要だったと思う。
サイゴンの中心街。
ジャガーを走らせ、私は後部座席でふんぞり返り、煙草を吸っていた。
(そんな時間が多かった)
街のホテルを見て、、、そんな時に思い付いたのだろう。
「ホテルのグランドフロアには結構な空きスペースがあり、小さな土産物屋があるところも何軒か存在する。俺もやったらええやん!」
土産物屋の客は観光客で、みんなどこかしらのホテルに泊まっている。
そこで店をやれば簡単に売れるだろう。
内装費も抑えられるし、小さな店なのでスタッフも1人ですむ。
投資金額も運営リスクも少なそうだ。
という分析だ。(甘い?)
私は立地のいいホテルに目星をつけ、スタッフに連絡させ、テナント受け入れの可否や家賃等の諸条件を調べた。
そして、ホテル内の土産物屋を2ヵ所、同時期に開けた。
レックスホテルとパレスホテルでだ。
ホーチミンの来たことのある人なら分かると思うが、それぞれの立地は申し分ない。
観光客も多く宿泊している。
覚えてないが、家賃は安かったと思う。
店の設置は簡単だった。
棚を数個運び込み、既存店用の在庫を流用しただけだ。
どうなったか?
失敗した。
半年もたず、2店舗とも撤退した。
安い家賃で、スタッフも1人。
維持費は安かったが、それ相応に売上も少なかったのだ。
キャッシュの赤字はほとんどなくトントンぐらいだったと思うが、時間的に赤字で無駄だったので、やめた。
ホテル内土産物屋のお客は、せいぜいそのホテルに宿泊している人達だけだ。
地図上の立地がよくても、別のホテルに宿泊しているお客はわざわざ入ってこない。
また、小さなインスタント雑貨店は品数も少なく、何より、店としての雰囲気がイマイチだった。
この失敗でいろいろと学んだ私。
思い付きでビジネスするのをやめたのだろうか?
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